車のサイドミラーから「ウィーン」や「ギギギ」といったモーター音が聞こえ続けていると、不安になりますよね。「これって故障?放っておいても大丈夫?」と感じた経験がある方も多いはずです。
実はこのようなモーター音、正常な作動音であることもあれば、モーターの劣化やスイッチの不具合などが原因の異常音であるケースもあります。
音の種類やタイミングによっては、バッテリーの消耗や配線トラブルにつながることもあるため、放置はおすすめできません。
この記事では、サイドミラーからモーター音が出る主な原因とその見極め方、自分でできる対処法、修理費用の相場や体験談までをわかりやすくまとめました。
今まさに音に悩んでいる方はもちろん、事前に知っておきたい方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
サイドミラーからモーター音がする原因とは?
サイドミラーの角度調整や格納時に「ウィーン」と鳴る音は、モーターが正常に作動しているサインです。
自動でミラーを畳むタイプの車では、ドアロックやエンジン始動に連動して作動音が鳴る仕様になっており、特に異常ではありません。
サイドミラー調整時に出る通常のモーター音とは
長年使っていると、モーター内部のギアや部品が摩耗し、「ジジジ」「カタカタ」などの異音が出ることがあります。
ミラーの動きが遅い、途中で止まるなどの症状が伴うなら、モーターの寿命が近づいている可能性があります。
モーターの劣化・異常が原因で発生する異音の特徴
電動格納ミラーでは、動作中に何かが引っかかったり、固着したりすることでモーターに負荷がかかり、空回り音が発生することがあります。
風や凍結などの外的要因が影響しているケースもあるため注意が必要です。
折りたたみ機能やミラー可動部に異常があるケース
折りたたみ機能付きの電動ミラーでは、可動部が何かに引っかかることでモーターに負荷がかかり、空回り音が出ることがあります。
たとえば強風で障害物がぶつかっていたり、ミラー部に凍結や汚れが付着していたりする場合に多く見られます。
スイッチの誤作動・接触不良が引き起こす音
ミラー調整スイッチの接触不良により、モーターが意図せず作動し続けることがあります。
内部でスイッチが押されたままの状態になってしまうと、止まらずにモーターが動き続ける原因となります。
冬場や雨天時に起こる凍結・異物詰まりによる異音
気温が低い時期には、ミラーの可動部が凍って動かなくなり、モーターが無理に動こうとして異音が出ることがあります。
また、ホコリや落ち葉などが隙間に詰まっていても、同じように異音の原因になるため、清掃や凍結対策が有効です。
サイドミラーのモーター音が止まらないときのリスク
モーター音が長時間続く、エンジンを切っても止まらない…そんな状態が続いている場合、単なる不快な音だけでなく、実際に車にダメージを与える原因となることがあります。
音が出ているということは、何らかの部品が作動しているということ。
そのまま放置することで、重大なトラブルにつながるリスクもあるため、早めの対処が必要です。
モーターが空回りし続けることで起こるトラブル
モーターが空回りしている状態では、内部部品に余計な負荷がかかり、ギアの破損や焼き付きが起こる可能性があります。
結果的にミラーが開閉できなくなったり、モーター自体が故障してしまったりするため、早期の対応が重要です。
バッテリーが上がる原因になることも
エンジンを切ったあともモーターが動作していると、電力を使い続けるため、バッテリーの負荷が高くなります。
特に冬場などでバッテリーが弱っているときにこの症状が出ると、翌朝エンジンがかからない…という事態になる可能性も。
配線ショートによる車両火災のリスク
まれなケースではありますが、モーターやスイッチ周辺の配線に異常がある場合、熱を帯びてショートすることがあります。
長時間の空回りや発熱が続くと、最悪の場合は発煙・発火といった深刻な事故につながることも否定できません。
異音放置で安全性が下がる可能性
ミラーの開閉や角度調整が正しくできない状態では、後方確認や車線変更の際に死角が増え、運転の安全性が下がる恐れがあります。
特に電動ミラーに頼っている方にとっては、見え方のズレが事故リスクにもなりかねません。
サイドミラーのモーター音が出る具体的な症状別の原因
モーター音といっても、「ウィーン」「ギギギ」「ガタガタ」など、音の種類によって原因はさまざまです。
また、ミラーが開閉途中で止まったり、音が鳴りやまなかったりする場合も、故障のサインかもしれません。ここでは、具体的な症状別に考えられる原因をわかりやすく解説します。
「ウィーン」という空回り音の正体
この音は、モーターが動いているのにミラーが動かない、つまり内部で空回りしている状態です。
原因としては以下のようなものが考えられます。
- ミラーが固着していて動かない
- ギアが劣化・破損して空転している
- 開閉機構に異物が詰まっている
このような場合、モーターは正常でも機構部分の物理的な不具合が多く見られます。
「ギギギ」「ガタガタ」といった振動音の特徴
異常な振動音が続く場合は、以下のような症状が疑われます。
- モーターやギアの歯が欠けている
- ミラーの可動部に強い負荷がかかっている
- 内部でパーツが干渉・引っかかっている
寒冷地や凍結時、またはぶつけた後などに起きやすい現象です。
モーター音が止まらない!ヒューズの異常は?
通常、モーターにはヒューズやリレーが介在しており、異常な電流をカットしてくれます。これが故障していると、以下のような不具合が起こる可能性があります。
- スイッチを切っても電流が流れ続ける
- リレーが張り付き、常時通電状態になる
ヒューズボックスを確認して、該当ヒューズを一度抜いてリセットしてみるのも一つの対処法です。
開閉の途中で止まって音が鳴る原因
ミラーが途中で止まって異音が鳴り続けるケースでは、以下のような問題が考えられます。
- 内部で可動部が固着・摩耗している
- 電子制御モジュールの誤作動
- バッテリー電圧の低下で動作が不安定
この場合は、清掃や潤滑、あるいは電気系統のリセットなどを検討するとよいでしょう。
サイドミラーのモーター音を止めるための対処法
モーター音が続くと「このままで大丈夫かな?」と不安になりますよね。
異音の原因や状況に応じた正しい対処法を知っていれば、慌てず対応できます。
この章では、自分でできる応急処置から、DIY・専門店での対応方法までをわかりやすくご紹介します。
すぐに試せる応急処置(ミラーの開閉・清掃・潤滑)
まずは以下のような簡単な方法で対処できる場合があります。
- ドアロック→アンロックを繰り返してミラー開閉を促す
- ミラー可動部に付着したゴミや凍結をタオルで拭き取る
- 関節部に潤滑スプレー(シリコンスプレー)を吹きかける
可動部が固着していた場合、これだけで解消することもあります。
ヒューズ抜き差し・リセット操作のやり方
症状が電気系に関係している場合は、ヒューズの抜き差しや車両リセットで回復することがあります。
- 車両のヒューズボックスを開け、ミラー関連のヒューズを一度抜く
- 数分待ってから再び差し込み、システムをリセットする
- 一部の車種ではバッテリー端子を外すことで全体リセットも可能
取扱説明書で位置を確認して行ってください。誤って他のヒューズを抜かないように注意が必要です。
DIYでモーターを交換する際の注意点
モーターやミラーアッセンブリの交換を自分で行う場合、次のような点に注意しましょう。
ミラーの内部構造が複雑で無理に引っ張ると破損する
純正品以外を使うと動作保証されない場合も
技術的に自信がない場合は無理をせず、プロに任せた方が安全です。
ミラーを強制的に閉じるのはアリ?ナシ?
モーターが故障して開きっぱなしの場合、「無理やり手で閉じてもいいのか?」という疑問が出ますが、多くの電動ミラーは手動で動かすことを想定していません。
結論:原則NGです。 強制的に動かすと内部ギアやモーターにダメージを与える恐れがあります。
異音が直らないときのディーラー・整備工場での対応
以下のような専門対応が受けられます。
対応方法 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
点検診断 | ミラー動作・配線・スイッチ等を点検 | 3,000〜5,000円 |
部品交換 | モーター・ヒンジ・スイッチなど | 5,000〜15,000円(部品別) |
ミラー一式交換 | アッセンブリ交換が必要な場合 | 15,000〜30,000円程度 |
店舗によって金額差がありますので、事前に見積もりを取ると安心です。
電装系トラブルの基礎知識と防止対策
サイドミラーの異音トラブルは、モーターやヒンジの問題だけでなく、電装系の異常が原因になるケースも少なくありません。
特に配線やリレーといった見えない部分の不具合は、異音や動作不良として表れやすいので注意が必要です。
この章では、サイドミラーに関わる電装トラブルの基本と、予防のためのメンテナンス方法を解説します。
サイドミラーの構造とモーターの仕組み
サイドミラーは以下のような構造で動作しています。
構成部品 | 役割 |
---|---|
モーター | ミラーの格納・角度調整を電動で行う |
ヒンジ | 格納時の回転軸、物理的な動作の支点 |
リレー | モーターへの電気信号の切り替え役 |
スイッチ | 運転席などから動作を指示する装置 |
配線 | 電源と信号を各部へ届ける |
これらのいずれかに異常が出ると、モーター音の異常や動作不良につながります。
配線やリレーのトラブルが影響する可能性
サイドミラーが動かなくなったり、異音が続く原因として見落としがちなのが「電気系統のトラブル」です。
以下、一例となります。
- ミラースイッチを押していないのに音が続く → リレーの誤作動
- 一定方向にしか動かない → 配線断線や接触不良
- 振動で一時的に復旧する → 接点のゆるみ
このような場合、電装系統の診断機器が必要になることもあり、専門の整備工場での点検が推奨されます。
定期的な可動チェックと注油のすすめ
サイドミラーの異常を予防するには、日常的な点検とちょっとしたメンテナンスが有効です。
- 月に1回はミラーを開閉して可動確認
- 異音や引っかかりを感じたら潤滑スプレーで対処
- 雨天後や洗車後はミラー内部の水分を軽く拭き取る
特に長期間動かしていない場合は、固着やサビの原因になりやすいため注意が必要です。
異音が出やすい環境(雨・寒冷地・屋外駐車)とは
サイドミラーに異音が発生しやすい環境は以下の通りです。
- 雨天時:水分が可動部に入り、潤滑不良や腐食の原因に
- 寒冷地:氷結でミラーが固まり、無理な動作でモーターに負荷がかかる
- 屋外駐車:ほこり・落ち葉・砂などの異物混入による引っかかり
こうした環境下では、よりこまめなメンテナンスが求められます。
特に冬場は、ミラー開閉前に手で軽く叩いて氷を落とすなどの工夫も効果的です。
実際にあったサイドミラーモーター音トラブルと対応体験談
実際にサイドミラーから異音が発生したという声はネット上にも多数見られます。
軽微な不具合から、修理・交換にまで至ったケースまで様々ですが、原因の特定や対応策において共通点も多くあります。
ここでは代表的な4つの体験談を紹介します。
DIYで潤滑剤を使って直った例
・トヨタ アクア(2015年式)
あるユーザーは、ミラー格納時に「ギギギ…」という異音が続いたため、ミラーの可動部にホームセンターで購入した潤滑スプレー(シリコン系)を吹きかけたところ、音が改善されたとのこと。
ただし、内部モーターではなくヒンジ部分に原因があった場合に限られる対処法です。
ヒューズ交換で復旧した事例
・スズキ アルト(2020年式)
突然サイドミラーが格納できなくなり、操作スイッチを入れるたびに「カチカチ…」という音だけが鳴る症状が発生。
調べてみるとミラーヒューズが切れていたとのことで、ヒューズを交換したら動作が正常に戻ったそうです。
整備工場で5,000円以内で直せたケース
・ホンダ フィット(2014年式)
電動ミラーの格納が遅く、モーター音が長く続く状態が発生。
整備工場で点検してもらったところ、配線の一部が接触不良になっていたとのこと。
簡単な修理で済み、費用も5,000円以下に収まったという事例です。
モーターごと交換しなければ直らなかったケース
・日産 ノート(2016年式)
ミラー開閉時に「ウィーン」という音が数十秒続き、完全に閉じきらない状態に。
ディーラーで点検した結果、内部モーターのギア破損が判明し、ミラーASSYごとの交換が必要に。修理費用は部品代と工賃を含めて約28,000円かかったそうです。
これらの事例からわかるように、音の種類やタイミングによって原因はさまざまです。
軽微なトラブルであれば自力で対応できることもありますが、不安がある場合は専門業者の点検を受けるのが安心です。
サイドミラーのモーター音を止める方法:総まとめ
サイドミラーのモーター音に気づいたとき、慌ててしまう方も多いと思いますが、原因や症状をしっかりと見極めれば、適切な対応が可能です。
この章では、トラブル状況に応じた対処フローや放置によるリスク、修理・交換の判断タイミングをわかりやすくまとめました。
状況別の対処フロー
以下のように症状別にチェックを進めると、原因が特定しやすくなります。
症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
「ウィーン」と空回り音が続く | モーター劣化・ギア摩耗 | ミラー開閉確認、異音の様子を記録し整備依頼 |
「ガタガタ」「ギギギ」などの異音 | ヒンジ・可動部の潤滑不良 | 潤滑スプレーを使用、改善しない場合は点検 |
動作後もモーター音が止まらない | リレーの誤作動・配線不良 | ヒューズ抜き差し、改善しなければ修理へ |
異音を放置してはいけない理由
サイドミラーの異音を軽く考えて放置してしまうと、以下のようなリスクがあります。
- モーターが空回りし続けてバッテリーを消耗
- 配線ショートが原因で電装系統の他の部品に影響
- 車検で不具合と判定される可能性がある
- 最終的にミラーが完全に動かなくなる恐れ
少しでも違和感があれば早めに対応することが大切です。
修理・交換のベストな判断タイミング
以下のような状況では、早めの修理または交換を検討しましょう。
- ミラーの動作が明らかに遅くなった・止まることがある
- 異音が毎回発生し、音量や頻度が増えてきた
- 潤滑剤やヒューズ交換でも改善されなかった
- 走行中でも勝手に音が出るなどの異常が続く
修理費用を抑えたい場合でも、無理に放置せず一度専門業者に相談するのが安心です。
まとめ
サイドミラーから異音やモーター音が聞こえる場合、単なる作動音であれば問題ないこともありますが、異常音や止まらない音が続くときは注意が必要です。
モーターやスイッチの劣化、配線の不良、凍結や異物詰まりなど、原因は多岐にわたります。
異音を放置するとバッテリーの消耗や部品の破損、最悪の場合は車両火災のリスクまであるため、早期に原因を見極めて対処することが大切です。
軽度なものであれば潤滑スプレーやヒューズの確認で改善するケースもありますが、症状が重い場合は整備工場やディーラーでの点検をおすすめします。
また、定期的なミラー動作の確認や清掃・注油を行うことで、トラブルを未然に防ぐことも可能です。もし異音が発生したら、焦らずに症状を確認し、適切な方法で対処するようにしましょう。
車の安全性を保つためにも、サイドミラーの異常は見逃さず、しっかりと対応することが安心・快適なカーライフに繋がります。