ラジエーターキャップはただの蓋ではありません。
冷却水を加圧して100℃で沸騰することなく調節し、冷却効果を高めた優れたキャップです。
しかも冷えれば減圧してリアーブタンクに冷却水を逃がして冷却装置を保護しています。
ここではラジエーターキャップの交換時期とその種類、そしてどんな役割があるのかなどを詳しく解説します。
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ラジエーターキャップとは!役割や圧力について
ラジエーターキャップは、ラジエーターの上にあるキャップですが、役目としては「密閉弁」「加圧弁」「負圧弁」の3つの機能があります。
密閉弁は、字の通りにラジエーターに蓋をして冷却水が漏れないようにする役目ですが、加圧弁と負圧弁は、ラジエーターの冷却水の沸点にかかわる重要な役目です。
まず、水は100℃で沸騰しますが、圧力をかけると沸点が高くなります。
この沸点が高くなることを利用し、100℃を超えても沸騰することなく、冷却水の膨張からラジエーターや冷却水の経路の損傷から守っています。
ラジエーターキャップの加圧弁は0.9kg/㎡から1.1kg/㎡に設定されており、1.1kg/㎡で水温は125℃まで上昇します。
しかし、これ以上高圧になると、ラジエーター周りがパンクする恐れがあるので、それ以上高圧にならないよう調整されています。
次に負圧弁ですが、冷却水の温度が下がったときに冷却水の圧を抜いて調整して、冷却経路を負圧による損傷から守っています。
ラジエーターキャップの種類は
ラジエーターキャップは、大きく分けて標準タイプとスポーツタイプの2種類に分けられます。
一般に標準タイプは、88kpa(0.9kg/㎡)で加圧弁が開きますが、スポーツタイプでは108kpa(1.1kg/㎡)で加圧弁が開きます。
このほか、樹脂製のキャップや安全ボタン付きのラジエーターキャップも販売されていますが、クルマのラジエーターキャップにあったラジエーターキャップを装着します。
とくに樹脂製は、リザーバータンクに取り付けられているキャップなので、購入の際は間違わないようにしましょう。
ラジエーターキャップの寿命はどれくらい?
ラジエーターキャップ自体の寿命はかなり長く、10年経っても問題ありません。
しかし、それは使用していない時の話であって、実際にクルマに装着している場合は、2年に1回ごとの車検か、長くても5年に1回は交換したほうが良いといわれています。
というのも、ラジエーターキャップは、スプリングとゴムのパッキンが使用頻度により劣化するからです。
ただし、クルマの使用方法により、スプリングとゴムパッキンの劣化具合が異なるため、定期点検が最も重要です。
ラジエーターファンの寿命に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
🔗車のラジエーターファンモーターの寿命は何年?交換費用や回らない原因とは!
ラジエーターキャップの値段はいくら?
ラジエーターキャップは、カー用品店だけでなく、ホームセンターのカー用品売り場、そして古くからガソリンスタンドでも販売されてきました。
ラジエーターキャップの値段は1,500円程度で購入できますが、スポーツモデルになると3,000円近くする商品も売られています。
ラジエーターキャップの交換時期は
ラジエーターキャップの交換時期は、無交換で5年以上経過しているなら交換したほうが良いでしょう。
また、2年に1回の車検時に交換を依頼するのも一つの方法です。
このほか、自分でも交換時期を確認できます。
エンジンが冷えているときにラジエーターキャップを外して、キャップの裏側のゴムパッキンの状態を確認します。
ゴムパッキンに張りが見られない時や、ひび割れや切れなどがあれば交換します。
また、ラジエーターキャップに錆が発生していたり、弁を指で押して動きが悪い時は、交換しなければオーバーヒートの危険があるでしょう。
オーバーヒート時のラジエーターキャップを開ける時の注意点とは!
クルマがオーバーヒートしているということは、冷却水の温度は100℃以上に上がっています。
その状態でラジエーターのキャップを開けてしまうと、冷却水が噴射され熱湯が降り注ぎ大やけどを負うことになるでしょう。
オーバーヒートをしたら、エンジンを止めずにクルマを安全な場所に停車させます。
その後、ボンネットを開けて冷却水が漏れていないか、リザーバータンク内に冷却水が入っているか確認します。
次に、ラジエーターファンが作動しているか確認します。
ラジエーターの前に取り付けられたファンが全く作動していない時や、冷却水の漏れがあるときはすぐにエンジンを切ります。
エンジンが冷えてラジエーターを手で触れる暖かさまで温度が下がったら、ウェスなどをラジエーターキャップにかぶせながらゆっくりとキャップを開けます。
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ラジエーターキャップの寿命は長いが最長でも5年で交換しよう
ラジエーターキャップは、オーバーヒートを防ぐために欠かせない蓋であり、普通のフタではありません。
エンジンコンディションを保つために重要なパーツなので、定期的に点検が必要です。
2年に1回の車検時もしくは最長でも5年で交換すれば、不意なオーバーヒートから愛車を守れるでしょう。