CVT(無段変速機)は、スムーズな加速と燃費性能を両立する現代の車に多く採用されているトランスミッションです。
しかし、そんなCVTに不具合が発生した場合、「滑り」という症状が現れることがあります。
加速してもエンジンの回転数ばかりが上がり、実際のスピードがついてこないような感覚を覚えたら、それはCVTの滑りかもしれません。まずは、CVTの構造や滑りの基本的な仕組みから解説します。
故障車を直しながら乗り続けるほど勿体ない話はありません。
ここ数年で最も高く中古車が売れているこの時期に売ってしまわないと損です!
CMで有名なカーネクストは故障車でも高い評価が付きやすいです。
カーネクストで無料査定してみて下さい。
- どんな車でも値段が付きます
- 無料出張引き取りで来店不要
- 廃車手続きも無料で代行
CVTの構造と仕組み
CVTは、従来のAT(オートマチックトランスミッション)と異なり、ギアの段数が存在しません。
代わりに「金属ベルトとプーリー」を使って、エンジンの回転を連続的に変速させるのが特徴です。この仕組みにより、エンジンを効率的な回転域に保ちつつ、滑らかな加速を実現します。
「滑り」が発生するメカニズム
CVTの滑りとは、ベルトがプーリー間でしっかりと駆動力を伝達できなくなり、動力ロスが発生している状態を指します。
たとえば、CVTフルード(専用オイル)が劣化して粘度が低下すると、摩擦力が不十分となり、金属ベルトがしっかりと噛み合わなくなります。
また、内部の油圧制御が不安定になることで、適切な変速ができなくなるケースもあります。
滑りが起きたときの初期症状
滑りの初期症状としては、以下のような現象が見られます。
-
アクセルを踏んでも加速が鈍い
-
エンジン回転数が高いままスピードが出ない
-
変速ショックがある、または違和感がある
-
ギアが入りにくい・入らない
こうした兆候が現れたら、早めに点検を受けることが大切です。
CVTの滑りが引き起こすトラブルとリスク
CVTの滑りを放置してしまうと、日常の運転に大きな支障をきたすばかりか、最悪の場合CVT本体の交換が必要になることもあります。
ここでは、具体的なトラブルやリスクについて詳しく見ていきましょう。
加速不良・燃費悪化への影響
CVTが滑っている状態では、アクセル操作に対してタイムラグが生じます。
これにより無駄な回転数が増え、エンジンに負荷がかかるため、結果的に燃費が悪化します。
また、思ったように加速できないことで、合流や追い越し時の危険性も高まります。
ギアが入らない・異音の発生
滑りが悪化すると、ギアがまったく入らなくなったり、異音(うなり音・金属音)が発生することもあります。
とくに金属ベルトやプーリーに摩耗が生じている場合、内部で異常な摩擦が起こっているサインといえるでしょう。
放置するとどうなる?重大故障の可能性
滑りの状態で無理に走行を続けると、CVT内部が焼きついたり、ベルトが破損したりする可能性があります。
こうなるとCVTユニットごと交換が必要となり、修理費が数十万円に及ぶこともあります。
初期段階での対応が、結果的に大きな出費を防ぐ鍵になります。
CVTの滑りの原因と考えられる要因
CVTの滑りにはさまざまな原因が関係しています。
ここでは、主に考えられる代表的な要因を解説します。
CVTフルード(オイル)の劣化
もっとも多い原因の一つが、CVTフルードの劣化です。
フルードは潤滑・冷却・油圧伝達という重要な役割を担っており、これが劣化すると摩擦力が低下し、滑りを引き起こします。定期的な交換が必要です。
バルブボディ・ソレノイドの不具合
CVT内部の油圧制御を司る「バルブボディ」や「ソレノイドバルブ」に不具合が生じると、適切な圧力がかからなくなり、滑りや変速不良が発生します。
これらの部品は故障していても警告灯が点かないこともあり、見落とされがちです。
金属ベルトやプーリーの摩耗
長期間の使用や過酷な運転により、金属ベルトやプーリーが摩耗してしまうと、ベルトが滑ってしまい、変速がうまくいかなくなります。
機械的な摩耗が進行すると、修理よりも交換が必要になるケースもあります。
CVTの滑りを防ぐ・対処するための方法
CVTの滑りは未然に防ぐことも可能ですし、症状が軽いうちであれば修理で改善できるケースもあります。
ここでは予防策と対処法について解説します。
定期的なCVTフルードの交換
車種にもよりますが、一般的には走行距離2万〜4万kmごとにCVTフルードを交換するのが目安とされています。
メンテナンス記録がない中古車を購入した場合は、早めの交換をおすすめします。
違和感があれば早めに点検を
運転中に「おかしいな」と思う感覚は非常に大切です。
加速のタイミングやエンジン音に違和感があれば、ディーラーや整備工場でCVTの点検を依頼しましょう。
早期発見が修理費用を抑えるポイントです。
修理・交換にかかる費用と相場
軽度の滑りであれば、CVTフルード交換やソレノイド清掃で1万~3万円程度で済むこともあります。ただし、CVT本体の交換になると、部品代・工賃含めて30万〜60万円程度の費用がかかる場合があります。保証期間内かどうかも確認しておきましょう。
実際の体験談と修理のリアルな声(口コミ)
CVTの滑りは、実際に経験してみないとわかりづらい症状でもあります。
そこで、ユーザーたちがどのような経緯で滑りに気づき、どのような対応を行ったのかを知ることは、予防や早期対応の参考になります。
ここでは、ネット上に投稿された実際の体験談をもとに、CVT滑りに関するリアルな声をご紹介します。
加速中に滑りを感じて修理へ(ユーザーA)
「高速道路の合流でアクセルを踏んでも全然加速せず、エンジンの回転だけが上がる状態に。ディーラーに持ち込んだところ、CVTフルードの劣化が原因と判明。交換後は改善されました」
引用元:みんカラ – carview!
高速道路など加速が必要な場面で滑りが顕著になることはよくあります。
この方のように、違和感にすぐ気づいて対応すれば、大きな修理に発展する前に対処できる好例です。
CVTオイル交換だけで改善したケース(ユーザーB)
「中古で購入した車に滑りが発生。CVTフルードをディーラーで交換したら症状が改善。費用は2万円程度でした。早めの対応が大事ですね」
引用元:くるまのニュース
中古車では前オーナーの整備状況が分からないため、納車後すぐのCVTオイル交換が重要です。
滑りがフルード劣化だけで済んでいるうちに交換するのが、コスト面でも賢明な判断です。
滑りが悪化しCVT交換になった例(ユーザーC)
「しばらく放置していたらギアがまったく入らなくなり、CVT本体の交換に。修理費は50万円近くかかり、痛い出費になりました」
引用元:CarMe(カーミー)
症状を放置した結果、CVT全体の交換という高額修理につながったケースです。
こういった事例からも、滑りの初期サインを見逃さず、早めに整備工場へ持ち込むことの重要性が分かります。
まとめ
CVTの滑りは、初期段階であれば比較的安価な修理で済む可能性がありますが、放置してしまうと高額なCVT本体の交換につながる恐れがあります。
加速の違和感やエンジン回転数の異常など、小さなサインを見逃さず、早めに点検・整備を受けることが大切です。
定期的なCVTフルードの交換と、異常時の素早い対応を心がけることで、愛車を長く快適に乗り続けることができるでしょう。