クルマに小傷が付いてしまった場合、塗装しなくてもコンパウンドでキズを消せる場合があります。
しかし、コンパウンドは、使用方法や選び方を間違えると逆に悪化させるだけでなく、塗装を剥いでしまう恐れもあります。
ここでは、コンパウンドで失敗しないコツとクルマのキズをコンパウンドできれいに消す方法を詳しく解説します。
ピカールとコンパウンドの違いについて
コンパウンドとピカールの違いですが、まずピカールとは商品名のことであり商品の種類ではありません。
そして、ピカールの主な目的は金属磨きです。
コンパウンドとピカールの大きな違いは、ピカールの公式HPにもありますが、ピカールには灯油が入っているということです。
この灯油は、塗装面に対して悪影響を及ぼす場合があるので、ピカールで塗装面を磨くことは危険です。
また、粒子の大きさにも大きな違いがあります。
ピカールは、耐水ペーパーで4,000番程度ですから、かなり粗い研磨剤です。
対してクルマ用のコンパウンドでは、細目でも6,000番、濃色車の仕上げに使用する超極細目になると17,000番程度なので、粒子の大きさにかなりの違いがあるといえるでしょう。
車のコンパウンドで失敗しない磨き方のコツとは
クルマのコンパウンド磨きで失敗しないコツは、プレスラインなどは塗装が薄いので慣れない場合はプレスラインにマスキングテープを貼って保護してから作業しましょう。
また、よくある失敗としては、細かいキズを早く消したいがために、粗目のコンパウンドをいきなり使用する方がいます。
しかし、粗目のコンパウンドは磨きキズが激しくつきます。
そのため、コンパウンドの番手を徐々に上げて磨きキズを取る必要があります。
このほか、強くこすらないことです。
強くこすればその部分だけコンパウンドやほこりにより傷が深く入ってしまいます。
磨きは極細目から優しく磨き始め、キズが消えなければ、徐々に番手を下げて様子を見ましょう。
【基本】やってはいけないコンパウンドの磨き方は
コンパウンド磨きは、簡単なようでも意外に技術が必要です。
特に濃色車はキズを消すためにコンパウンドで磨いたつもりが、逆に傷だらけになる事例もあります。
コンパウンド磨きでは、粒子ごとに1枚ずつウェスを用意します。
このほか、たくさんコンパウンドを塗りつけて磨けば早くきれいになると勘違いしている方も見られますが、コンパウンドを多く付けても勿体ないだけで意味がありません。
逆に作業が大変になるだけなので、コンパウンドは手磨きなら小豆大一つぐらいからはじめるようにしましょう。
また最近のコンパウンドには、磨いているうちに粒子が細かくなるタイプも存在します。
コンパウンドによって使用方法も異なるので、取扱説明書をよく読んでからコンパウンドで磨き作業に入りましょう。
車の手洗い洗車に関してこちらの記事で詳しくまとめています。
ぜひチェックしてみて下さいね。

車のライトの黄ばみもコンパウンドで消せる?
最近のクルマのヘッドライトはポリカーボネートと呼ばれる樹脂を使用しています。
ポリカーボネートは、強度はガラス以上ですが紫外線に弱い性質があるので、新品のヘッドライトにはコーティングがされて保護しています。
しかし、飛び石などでコーティングが剥がれると、そこから劣化が始まりヘッドライトは黄ばみます。
この黄ばみは、樹脂の劣化した部分なので、コンパウンドで磨き取れば透明な新品の状態に戻せます。
しかし、コーティングしていないので数週間程度でまた黄ばんでくるでしょう。
ヘッドライトの黄ばみ取りに関してこちらの記事で詳しくまとめています。
ぜひ参考にされて下さいね。

車の傷消しコンパウンドのおすすめは
クルマのキズ消しにコンパウンドを使用しますが、コンパウンドには粒子の大きさに種類があるので、キズによって粒子を変えることや塗装の色によってもコンパウンドを使い分ける必要があります。
まず、コンパウンドで消せるキズですが、キズを爪で触り引っかかりがないキズです。
もし爪が引っ掛かるような傷の場合は、コンパウンドで磨いても傷は消せません。
そして、コンパウンドにはシリコン含有タイプとノーシリコンタイプがあります。
ノーシリコンタイプは、コンパウンドで磨いた後にコーティングや塗装をする場合に使用します。
もし、コーティングや塗装をするのにシリコン含有タイプを使用すると、シリコンの油分除去に手間取るのでお勧めではないでしょう。
ただし、細かなキズをシリコンが埋めてキズを目立たなくするので、キズ消しに使用するならシリコンが含有されているコンパウンドはお勧めです。
次に、液体コンパウンドとペースト状のコンパウンドがありますが、ペースト状は粗目のコンパウンドがほとんどなので、濃色車への使用は熟練していないと逆に磨きキズが入りやすいでしょう。
そこでおすすめのコンパウンドですが、キズを完璧に消したい場合で濃色車を磨くなら、極細目や超極細目の液体のノンシリコンを使用して丁寧に磨きましょう。
淡色車の場合は、それほど磨きキズが目立たないので、細目から使用しても問題がなく、ペースト状のコンパウンドを使用しても磨きキズは目立ちません。
コンパウンド選びは、コンパウンドの性質をよく理解して選ぶようにしましょう。
コンパウンドは性質を理解して使用しよう
コンパウンドの使用でキズを消せますが、使用方法を間違うとかえって傷を増やしたり塗装を剥がして下地を出したりするので、使用方法をよく確認することと、コンパウンドの選び方を間違わないようにすることがポイントです。
コンパウンドは、粒子が細かければ研磨能力が劣りますが、その分磨きキズは入りにくい特性です。
しかし、粒子が細かくてもコンパウンドは塗装を削っていることには違いがないことを理解してコンパウンドを使用しましょう。