クルマが古くなると傷んできます。
見えるところであれば、その部分を修理すれば済みます。
しかし、古くなればなるほど目に見えない隠れた部分が朽ち果てることがほとんどです。
その修理となると、レストアをお願いするしかありません。
レストアは、クルマを綺麗にするだけでなく新品のように蘇らせることですが、ここではレストアの費用相場とよく言われるオーバーホールの違いについて解説します。
車のレストアとは
クルマのレストアとは古くボロボロになったクルマを新車のように蘇らせることです。
レストアの主な作業は古くなったクルマで、錆びて穴が開いた鉄板を修復するなどのほか、内外装のヤレた部分を新品のように戻す作業です。
特に古いクルマの場合、部品が調達できないことがあります。
そのような場合は、現物合わせでボディを作るほか、ワンオフで部品を制作してもらうこともあります。
レストアとオーバーホールの違いとは
レストアとオーバーホールを一緒と考えている方がいますが、オーバーホールはメカニカルな部分を分解して清掃や調整、そして新品に交換する作業なので、レストアとオーバーホールは全く異なります。
もちろん、古いクルマでレストアを依頼すると、エンジンやトランスミッションも分解して新品のようにする作業もあります。
そのため、実際はエンジンやトランスミッションの作業はオーバーホールですが、レストアの一部としていわれる場合もあります。
しかし、オーバーホールはあくまでもメカ的な部分のみの修理や修正であり、レストアはクルマのすべてを新車に近い状態まで戻す作業を言います。
レストアの費用の相場はいくら?
クルマのレストアの費用は、エンジンやミッションなどのオーバーホールまで含めると、1,000万円以上かかる場合も少なくありません。
オーバーホールには、部品調達からクルマを完全にばらばらにして、ホワイトボディと呼ばれる状態までにして作業を行うフルレストアと、ある程度悪い部分を修正する部分的なレストアがあります。
このように、レストアはオーナーの意向により内容も大きく変わってくるため、作業にかかる時間や必要な部品なども大きく変わり、レストア費用には相場がないといってよいでしょう。
車のレストアはdiyでできる?必要なスキルはどの程度?
クルマのレストアをDIYすることはかなり無謀なことです。
クルマ関係の仕事に従事していた方でも、レストアとなると専門知識と豊富な経験がなければ無理な作業です。
特に鈑金作業は、古い鉄板のスポット溶接を剥し、新たに同じ形に高張力鋼板を切り取り形作る技術が必要です。
これは、鈑金で使用するナラシハンマーと呼ばれる特殊なハンマーや、アンビルという金床がなければできません。
このほか、溶接する技術も酸素溶接とアーク溶接が出来なければ難しいでしょう。
しかも多くのスポット溶接を剥した場合、スポット溶接機がなければキレイな仕上がりになりません。
ロードスターのレストアの値段の相場は?
ロードスターのレストアは、本家マツダにより250万円~行われています。
しかし、クルマの状態により価格は青天井であることを理解したほうが良いでしょう。
ただしマツダでは、カスタムされた改造車は基本的にレストア対象外です。
そのため、マツダでレストアをお願いする場合は、純正のロードスターであることが条件です。
マツダでレストアできない場合、一般の修理工場でお願いしなければなりません。
しかし、その価格は500万円以上かかることが多いという話も聞かれ、ロードスターのレストアはかなりの大金が必要です。
180sxのレストアの値段の相場は?
180SXのレストアも、ほかの古いクルマと同様にやり始めると青天井に金額が上がり1,000万円を優に超えてしまいます。
どの程度のレストアをしたいのか、専門業者との入念な打ち合わせが欠かせません。
例えば、オールペンだけで外板の錆だけ修復してほしい場合は、100万円~と考えても高くありません。
ただし、これではレストアとは呼べないので、エンジンやミッションを下ろし、内装もすべて分解して作業するのが普通でしょう。
このような作業となると、やはり300万円以上の覚悟が必要です。
レストア費用は作業内容で青天井
クルマのレストアを考える場合、何処までレストアするかによりレストア費用は大きく変わってきます。
クルマをレストアするために、ある程度業者と打ち合わせをしても、実際クルマを分解したら、とんでもなく錆びて朽ち果てた部分が発覚することも少なくありません。
このほか、レストア中に気に入らない部分が見えると、レストアしたくなってくる場合もあるでしょう。
このようにレストア費用は、作業にかからなければ本当の金額は算出できないほか、同じ状態のクルマが2つとないので、相場を知る事は不可能です。
しかも作業状況やオーダーの仕方では、青天井に費用は上がります。
レストアを考える場合は、1,000万円以上の資金が用意できなければ手を付けない方が無難でしょう。