CVTから「ゴー」という異音がする原因とは?考えられる故障と対処法をわかりやすく解説

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車を運転しているときに、「ゴーッ」という低く響くような音が車内に広がったことはありませんか?
特にCVT(無段変速機)を搭載している車では、このような異音に悩まされることがあるようです。「エンジン?タイヤ?それともCVT?」「放っておいて大丈夫?」と、不安になる方も多いでしょう。

この記事では、CVTからの異音、特に「ゴー」という音の原因や考えられるトラブル、対処法について、車に詳しくない方にもわかりやすく解説していきます。

 

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CVTとは?基本的な仕組みと役割

CVTは、現代の多くの車に採用されているトランスミッションの一種です。
エンジンの力をタイヤに伝える重要な部品ですが、その構造は従来のAT(オートマチック)とは異なります。
ここでは、CVTの基本についてやさしく解説します。

 

CVTの特徴と構造

CVTは「Continuously Variable Transmission」の略で、日本語では「無段変速機」と訳されます。
最大の特徴は、従来のATのようにギアの段階がなく、スムーズに加減速できる点です。

ベルトとプーリーの仕組みによって、変速を連続的に行うため、燃費性能が高く、走行も滑らかになります。

近年ではコンパクトカーやハイブリッド車に多く採用されており、日常的な運転に適した構造となっています。

 

CVTと他の変速機の違い

MT(マニュアル)やAT(オートマチック)に比べて、CVTは変速ショックが少なく、エンジンの回転数を一定に保ちながら加速することができます。
これにより、加速時のスムーズさや静粛性が評価されています。
ただし、構造が特殊なため、違和感のある挙動や音が発生すると原因が分かりにくいというデメリットもあります。

以下の表に、CVTと他の変速機(AT・MT)の主な違いをまとめました。

特徴・項目 CVT(無段変速機) AT(オートマチック) MT(マニュアル)
変速方式 無段階で変速(ベルトとプーリー) 固定ギアによる段階的変速 自分でギア操作とクラッチ操作
変速ショック ほとんど感じない 若干あり(車種により異なる) 運転者の操作により変わる
燃費性能 高い(一定の回転数で走行) 普通~やや低め 運転者次第で良くなることも
スムーズな加速 非常にスムーズ 比較的スムーズ シフトタイミング次第
操作のしやすさ 非常に簡単 簡単 難しい(慣れが必要)
メンテナンス・修理費用 高め(CVTユニット交換が高額) 中程度 安価な傾向
採用される車種 軽・コンパクト・ハイブリッド車 普通車・SUVなど幅広い 一部スポーツカーや商用車など

このように、それぞれの変速機にはメリット・デメリットがあります。
CVTはとくに燃費重視の車に多く採用されており、街乗りや通勤向けの車種との相性が良いのが特徴です。

 

CVTはどのような車に使われている?

CVTは軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッド車を中心に広く使われています。
トヨタ、日産、スバル、ホンダなど、多くの国産車メーカーがCVTを採用しており、走行性能よりも燃費や快適性を重視した車に向いています。

 

CVTから「ゴー」という異音がする原因とは?

CVTから聞こえる「ゴーッ」という音にはいくつかの原因が考えられます。
走行中にそのような音がしたときは、何が起きているのかを冷静に確認することが大切です。

 

ベルトやプーリーの摩耗

CVTの構造には、金属ベルトとプーリーが使われています。
これらが摩耗すると、金属同士が擦れる音が増し、「ゴーッ」という異音が発生する場合があります。

特に加速時や坂道発進時に異音が目立つようであれば、摩耗の可能性が高いです。
この場合、放置しているとベルトが滑ったり、最悪の場合は走行不能になるおそれがあります。

 

CVTフルードの劣化や不足

CVTフルード(オイル)は潤滑・冷却・圧力伝達など、CVTの正常な動作を支える重要な役割を果たしています。
このオイルが劣化したり、減っていると摩擦が増え、異音の原因となります。

ゴーという音が滑らかではなく、振動や引っかかり感を伴うようなら、まずフルードの状態を確認してみましょう。
定期的な点検と交換が必要です。

 

外的要因による共鳴音

異音のすべてがCVT本体からとは限りません。
たとえば、タイヤの偏摩耗、車体の下部に付着した異物、マフラー周りの緩みなども、「ゴーッ」という似た音を発することがあります。

こうしたケースではCVTに異常がなくても、誤解してしまうことがあるため、原因の切り分けが大切になります。

 

異音が発生したときに考えられる故障箇所

異音が発生したからといって、すぐにCVTが故障しているとは限りません。
ただし、放置すると重大なトラブルに発展する恐れがあるため、異音の種類やタイミングから原因を探ることが大切です。

 

走行時に異音が大きくなる場合

車が動き出したときや、一定の速度で走っているときに異音が大きくなる場合、CVT内部の摩耗や異常が疑われます。
とくに、走行スピードに比例して音が強くなる場合は、ベアリングやプーリーに問題があるかもしれません。
異音が徐々に大きくなってきた場合は早めの点検が必要です。

 

停車中でも音がする場合は別の原因かも

エンジンをかけて停車している状態でも「ゴー」という音が続くようであれば、CVTではなく、エンジンや補器類(オルタネーター、エアコンコンプレッサーなど)が原因の可能性があります。
CVTに異常がある場合は、基本的に走行時に症状が現れやすいため、アイドリング中の音にも注目してみましょう。

 

低速時に発生する音は滑りや変速異常の兆候

低速時にだけ聞こえる「ゴー音」や「うなり音」は、CVTの滑りや変速タイミングの異常が原因である場合があります。
加速が鈍くなる、回転数だけが上がるといった症状を伴うこともあり、そのままでは燃費悪化やCVTへの負担が増す可能性があります。

 

放置するとどうなる?CVT異音のリスク

異音が気になるけれど走れているからといって放置してしまうと、思わぬ故障につながる恐れがあります。
この章では、CVT異音を放置するリスクについて解説します。

 

異音の悪化でCVT本体が損傷する可能性

異音の原因がCVT内部の摩耗やフルード不足によるものだった場合、そのまま使用を続けるとCVTユニットそのものが損傷してしまうことがあります。
CVTは修理よりも交換対応となるケースが多く、費用が高額になるため、早期対応が重要です。

 

異音を感じてからの経過時間がカギ

異音を感じてすぐ点検すれば、大きな修理にならずに済む場合も多くあります。
たとえばCVTフルードの交換で済むこともありますが、数ヶ月も放置してしまうと、CVT本体や制御系にまでダメージが広がってしまい、修理費が10万円以上かかることもあります。

 

最悪の場合、走行不能に陥ることも

CVTの深刻な損傷が進むと、変速ができなくなり、車が加速しない、エンジンは回っても進まないといったトラブルが発生することがあります。

こうなるとレッカー移動が必要となり、時間的にも金銭的にも大きな負担を伴います。
異音を放置せず、早めの行動が安全を守るカギです。

 

異音に気づいたときの対処法と修理の目安

「ゴー音」が聞こえたときに、ドライバーがどのように行動すれば良いかを知っておけば、トラブルを最小限に抑えることができます。
ここでは、異音に気づいたときの対応方法について具体的に紹介します。

 

まずはディーラーや整備工場で点検を

異音が気になった場合は、すぐに信頼できる整備工場やディーラーで点検を依頼しましょう。
音の種類や発生タイミングをメモしておくと、診断がスムーズになります。
CVTの専門知識を持つ整備士であれば、試運転などから原因を特定しやすくなります。

 

修理・交換にかかる費用の目安

CVTフルードの交換は1万〜2万円程度が相場です。
もしCVT本体の故障や交換となると、車種によりますが10万〜30万円以上かかるケースもあります。
高額修理を避けるためにも、初期段階での点検・対応が大切です。

 

再発防止のためにできること

CVTにやさしい運転を心がけることで、トラブルを減らすことができます。
急発進・急加速を避ける、こまめにフルードを交換する、車検や点検時にCVTの状態も確認してもらうなど、日ごろからの心がけが故障防止につながります。

 

まとめ

CVTから聞こえる「ゴーッ」という異音は、フルードの劣化やCVT内部の摩耗、あるいは外的要因による共鳴音など、さまざまな原因が考えられます。

放置すると高額修理や走行不能といった事態に陥る恐れがあるため、異音に気づいた時点での点検・対応が重要です。
普段から車の変化に敏感になり、早めに対処することで安心・安全なカーライフを送ることができます。

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