クルマのへこみが発生した場合、修理工場でなければ治りません。
しかし、ネット上などの噂でドライヤーと冷却スプレーでクルマのへこみが治るという話が多く見られます。
ドライヤーは髪を乾かすものなので、どの家庭でも所有しているため手軽にできそうですがそれは本当なのでしょうか。
ここではドライヤーと冷却スプレーなど、冷やす方法を加えたへこみ治しについてその真意を解説します。
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車の凹みはドライヤーと冷却スプレーで治せるって本当?
クルマのボディがへんこんでしまった場合、修理する方法は鈑金とデントリペアの2種類が主流です。
デントリペアの場合、エクボと呼ばれるような比較的小さなへこみを再塗装せずに治す方法ですが、鈑金の場合は小さいキズから大きなキズまで再塗装が必要です。
そんな中、へこみをドライヤーと冷却スプレーを使い修理できる噂が広まっています。
しかし、ボディは鉄でできており鉄をドライヤー程度の熱で元に戻せるはずがありません。
また、鉄は熱を加えると膨張し、冷却すると収縮しますが、へこんだ部分は鉄が伸びた状態なので、それを縮めなければ元に戻りません。
しかも鉄が伸びるほどの熱を加えるには、ドライヤ―程度の熱では無理でしょう。
鉄の特性を考えた時に、ドライヤーと冷却スプレーではへこみを直すことは不可能です。
ドライヤーと冷却スプレーを使って治す手順は
ドライヤーと冷却スプレーを使い、ある程度へこみが治せる部分があります。
それはPP(ポリプロピレン)製のバンパーです。
PPバンパーは、製造過程で熱を使い整形していますから、へこんだ部分に熱を加えると、元の形に戻ろうとする力が働きます。
ドライヤーでは、熱量が少ないので寒い冬では効果が薄いですが、へこんだ全体を手で触れなくなるほど熱くできれば、へこみを反対側から押してあげれば形は元に戻ってきます。
形がある程度元に戻れば冷却スプレーで冷やしてあげることで、形が定着して元に戻せます。
ただし、温める温度はかなり高温にしなければならないので、ヒートガンのほうが効率的でしょう。
車のへこみにドライヤーとパーツクリーナーでは効果ある?
パーツクリーナーも、冷やす効果があるので、温めた部分に吹きかけても冷却できます。
しかし、冷やすことを目的で使用するとなれば、かなり大量のパーツクリーナーを吹き付ける必要があります。
パーツクリーナーは、それほど安価な商品ではないので、コストを考えるとあまり賢い選択ではないといえるでしょう。
車へこみ修理に熱湯かけたら治る?
クルマのへこみに熱湯をかけて修理する動画を見かけます。
しかしそれは全くのウソです。
へこんだ鉄板に熱湯をかけて元に戻すことはできません。
ただし、樹脂パーツの前後バンパーはある程度効果が望めます。
ボディをへこましてる場合、その部分の鉄板は伸びている部分と縮んでいる部分があり、それらをプロの技術で元に戻すようにハンマリングして修理します。
また鉄が熱によりゆがむ温度は800度程度かける必要があるので、熱湯程度では意味がありません。
ではバンパーの場合はというと、熱をかけることで製造時の形状に戻ろうとする力が働くからです。
ただし、完全に戻りませんから、裏側からハンマーの柄なので押してあげる必要があります。
ただし、熱湯をかけているのでやけどには十分注意して作業する必要があります。
そこで、安全に作業するならヒートガンを使用するのが良いでしょう。
ヒートガンであればピンポイントに熱であぶれるので比較的簡単に樹脂パーツのへこみをもとに戻せます。
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車のへこみにドライヤーと氷では効果ある?
バンパーなどのPPパーツのへこみをドライヤーで温めた後、氷で冷す方法はかなり効果があります。
しかし、氷は解けて水になってしまうので、濡れては困る部分がある場合は、氷の使用は控えなければなりません。
また、氷もある程度ビニール袋などに入れてへこみに押し当てる必要があることと、温めて冷やすことを繰り返すので、氷が解けて冷やせないといったことが起きないようある程度多めに用意しましょう。
車の凹みをドライヤーと吸盤を使って治す方法とは
へこみをドライヤーで温めて吸盤を使う方法は、外板部分と塗膜を吸盤で引っ張る際に塗膜を割らないために有効でしょう。
クルマのボディのへこみは、へこんだ回りの部分がよく見ると少し盛り上がっています。
この盛あがった部分がへこんだ部分に戻らなければ、鉄はもとの状態になりません。
また、一番へこんだ部分は鉄が伸びていますから、その部分を縮める修正をしなければキレイに戻せないでしょう。
そこで吸盤で引き出す場合、引き出すポイントを見極め引き出すと同時に盛り上がった部分をへこんだ部分に戻すように叩いてあげなければ元の状態になりません。
また、引っ張りが弱すぎるとへこみはそのままですし、強すぎると逆に出っ張りますから、吸盤を使うへこみ直しはかなり経験が必要です。
車の凹みがドライヤーでは治らない場合は
クルマのへこみは、ドライヤーでは治りません。
鉄の特性を考えるとドライヤーの熱程度では、ほとんど動きが発生しないためです。
もし、ドライヤーの熱程度で鉄板に動きが出るようなら、真夏の炎天下にクルマを放置するだけでへこみは元に戻るはずです。
しかし、そんなことはありません。
なので、ドライヤーでは不可能であることを知っていただき、へこみがあれば専門の鈑金修理業者に相談しましょう。
車の凹みの修理費用が高額なら車を手放す選択肢も
車の走行距離や年式を考慮して、あとどれくらい乗るつもりか、高額な修理費用をかける価値があるかどうかを判断しましょう。
新しい年式の車であれば、ディーラーでの下取りや中古車買取業者の利用を検討すると良いでしょう。
手続きや乗り換えの手間を減らしたい場合はディーラーでの下取りが便利です。
一方、少しでも高額で売りたい場合は、中古車買取業者の利用がおすすめです。
しかし、古い年式や走行距離が多い車は、値段がつかないこともあります。
そんな時は、廃車や故障車の買取業者を利用すると良いでしょう。
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多くのフェイク情報に騙さらないようにしよう
ドライヤーでクルマのへこみが治るといった情報が氾濫しています。
しかし、ドライヤーの熱量では、鉄板の歪みなど目で見てわかるような変化は起きません。
鉄板のへこみは、鉄板が伸びて縮んでいることから起きてます。
その伸びた部分を縮んだ部分に戻す鈑金作業やデント作業が必要です。
温めて冷やすだけで鉄板は元に戻らないので、ドライヤーと冷却スプレーではへこみは治らないことを理解しよう。
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