「車の振動が大きい」「エンジンルームからゴトゴト音がする」――そんな症状の原因として考えられるのがエンジンマウントの劣化です。
エンジンマウントはエンジンを支える重要な部品で、ゴム部分が摩耗すると振動や異音が増え、快適性や安全性にも影響します。
では、このエンジンマウント交換を オートバックスやイエローハット などのカー用品店で依頼できるのでしょうか?
また、費用はディーラーや整備工場と比べてどのくらい違うのでしょうか。
この記事では、エンジンマウントの役割と交換の必要性、オートバックスやイエローハットで交換できるかどうか、さらに 交換費用の相場や依頼時の注意点 を分かりやすく解説します。
交換を検討している方はぜひ参考にしてください。
エンジンマウントとは?交換が必要な理由
エンジンマウントは、エンジンを車体にしっかり固定しつつ、振動や衝撃を吸収する重要な構造部品です。
劣化すると振動が車内に伝わり、快適性や安全性を損なうほか、他の部品にも負担がかかるため、早めの点検と交換が望まれます。
エンジンマウントの役割(振動吸収・固定)
エンジンマウントは主にゴム素材で構成され、以下の役割があります。
- エンジンをしっかり車体に固定し安定させる
- 振動・衝撃を吸収し、騒音や振動を軽減する
これにより、乗り心地の向上とエンジンまわりの部品保護に貢献しています。
劣化すると起こる症状(振動・異音・エンジンのズレ)
経年劣化でゴムが硬化すると、以下のような症状が出ます。
-
アイドリング時の振動が大きくなる
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発進・停止時に「ガツン」「ゴトゴト」などの異音や衝撃が発生
-
エンジン自体がわずかにズレたり揺れたりする
これらが複数あてはまる場合は、交換を検討するタイミングです。
交換の目安(走行距離・使用年数)
エンジンマウントの交換時期の目安は以下の通りです。
- 走行距離:約10万km前後
- 使用年数:約10年~
ただし、乗り方や車種によっては5万km程度で劣化することもあるため、定期点検で状態確認が大切です。
エンジンマウント交換はオートバックスやイエローハットでできる?
カー用品店でも対応可能な場合がありますが、店舗・車種によって対応可否が異なるため、事前確認が不可欠です。
オートバックスで交換できる場合
オートバックスの一部店舗では、ピットメニューとしてエンジンマウント交換を提供しており、車検や重整備対応店で依頼可能です。
料金の目安は設置個所・難易度により異なりますが、相場は安価な場合で3,000円〜との情報もあります。
イエローハットで交換できる場合
イエローハットも、車検対応店舗であればエンジンマウント交換を受け付けることがあります。
Webから見積もり依頼もできるなど利便性がありますが、対応店舗が限られる点に注意しましょう。
対応できない場合(輸入車・持ち込み部品など)
多くの店舗では以下のようなケースに対応できないことがあります。
- 輸入車や旧車など部品供給や技術の関係で非対応
- ユーザー持ち込み部品による交換依頼(安全管理の観点から不可)
これらの場合は、ディーラーや専門整備工場に依頼するのが確実です。
エンジンマウント交換の費用相場
部品代と工賃を合算した相場は、依頼先や車種により大きく変動します。
以下に代表的な参考例を紹介します。
ディーラーでの費用目安
ディーラーでは純正部品を使用し、確かな技術で安心ですが、費用は高めの傾向です。
一般には、1箇所あたり約10,000〜30,000円が相場とされています。
カー用品店(オートバックス・イエローハット)での費用目安
カー用品店では比較的リーズナブルな料金体系が多く、1箇所あたり5,000~15,000円程度で対応可能な場合があります。
ただし店舗や車種によって可否や金額差があるため見積もり必須です。
整備工場での費用目安
整備工場では柔軟な対応が可能で、1箇所あたり8,000~20,000円程度の工賃が一般的です。
複数箇所を一括交換すると、割安になるケースも多く見られます。
修理費用の比較表
依頼先 | 費用目安(1箇所) | 特徴 |
---|---|---|
ディーラー | 約10,000〜30,000円 | 純正部品・安心だが高額 |
カー用品店(AB/YH) | 約5,000〜15,000円 | 比較的安価。ただし店舗依存 |
整備工場 | 約8,000〜20,000円 | 柔軟な対応が可能で比較的安い |
複数個所交換時は合計で30,000〜90,000円になることが多く、そちらも含めて検討しましょう。
エンジンマウント交換を依頼する際の注意点
安全で納得のいく依頼を行うため、以下ポイントに注意しましょう。
車種や作業環境による工賃の違い
エンジンルームが狭い車種(ハイブリッド車やSUVなど)は作業が複雑になり、工賃が高くなる傾向があります。
逆に軽自動車などエンジンスペースに余裕がある車種は比較的安価です。
純正部品と社外品の違い
純正部品は高品質・高耐久で安心ですが価格は高めです。
一方で社外品は安価な反面、品質にバラつきがあります。
費用重視か安心重視かによって選択が変わります。
部品持ち込みの可否と注意点
多くの店舗では安全管理上、持ち込み部品の取り付けは不可とされています。
対応可能でも保証対象外になったり工賃が割増されることが多いため、事前確認が必要です。
交換が必要かどうか判断するチェックポイント
エンジンマウントは走行中や停車中のさまざまなシーンで劣化の兆候を示します。
以下の症状が当てはまる場合は、放置せず点検や交換を検討すべきです。
アイドリング時の振動
エンジンマウントが劣化すると、停車中のアイドリング時に車体全体がブルブルと振動するようになります。
通常ならゴムが吸収してくれる細かな振動がそのまま車体に伝わるため、運転席やハンドル、シートまで揺れを感じやすくなります。
特に「以前より振動が強い」と感じる場合は、エンジンマウントの摩耗を疑うべきサインです。
発進・停止時の衝撃
アクセルを踏んで発進するときやブレーキで停止する際に「ガクン」「ガタッ」とした衝撃を感じる場合も要注意です。
これはエンジンが本来の位置で安定せず、動きに合わせて大きく揺れることで車体に負担を与えている状態です。
特に交差点での発進や信号待ちの停止など、頻繁に起こると運転の快適性を大きく損ないます。
ギアチェンジ時のショック
シフトチェンジの際に通常よりも強いショックを感じる場合も、エンジンマウント劣化の典型的な兆候です。
AT車では「N(ニュートラル)」から「D(ドライブ)」や「R(リバース)」に切り替えるときにガツンと衝撃が走ることがあります。
これはエンジンが正しい位置に保持されていないために動きが大きくなり、変速時の力がダイレクトに車体へ伝わってしまうからです。
エンジンルームからの異音
劣化したエンジンマウントでは、エンジン始動時や走行中に「ゴトゴト」「コトコト」といった打撃音やきしみ音が聞こえることがあります。
これはエンジンが安定して固定されず、本来接触しない部分が振動や揺れで干渉しているためです。音が徐々に大きくなったり頻繁に発生するようであれば、部品の摩耗や破損が進んでいる可能性が高く、早めの交換を検討すべきです。
まとめ
エンジンマウントは、劣化すると振動や異音が増え、快適性だけでなく安全性にも影響する重要部品です。
交換はディーラー・整備工場だけでなく、オートバックスやイエローハットでも対応できる場合があります。
ただし、車種や店舗によって作業可否や工賃が変わるため、必ず事前に確認することが大切です。
費用は 2万〜8万円程度 が相場ですが、状態によってはさらに高額になることもあります。
異音や振動が気になり始めたら、早めに点検を依頼し、信頼できる店舗で交換を検討しましょう。