ブレーキキャリパーを鮮やかな色に塗装すると、足元の印象が一気に引き締まり、愛車のカスタム感がぐっと高まります。
中でも全国展開しているオートバックスは、キャリパー塗装を手軽に依頼できる店舗として人気があります。
しかし、工賃や仕上がりは店舗や業者によって差があり、「どこに依頼すればいいのか迷う」という声も少なくありません。
本記事では、オートバックスのキャリパー塗装工賃やサービス内容をはじめ、他店との料金比較、車検対応や耐久性の注意点、さらにDIYで行う場合の費用や手順まで徹底解説します。
キャリパー塗装の基礎知識と魅力
キャリパー塗装は、見た目のドレスアップとして人気があるだけでなく、ブレーキまわりの保護にもつながるカスタマイズです。
しかし、初めての方は「そもそもどんな効果があるのか」「色はどう選べばいいのか」など、基本的な部分が気になるところではないでしょうか。
この章では、キャリパー塗装の意味や魅力、施工によるメリットと注意点、そして色選びのポイントや人気カラーまで、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
キャリパー塗装とは何か?見た目と耐久性の向上効果
塗装で得られるメリットと注意点
メリット
注意点
カラー選びのポイントと人気色ランキング
いくつかの調査によると、キャリパー塗装で選ばれる色としては、赤・青・黒・シルバー・ゴールド・オレンジ・イエローなどが多く挙げられています。
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赤:スポーティーな印象を与える定番の人気色
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ゴールド・オレンジ・ガンメタ:汚れが目立ちにくく、どんな車にも合わせやすい色
色選びのポイント
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ボディカラーとの調和を意識
車体の色とバランスが悪いと、浮いた印象になりがちです。例えば、ブラックやホワイトのボディには赤やガンメタ、赤い車にはイエローやオレンジなど、調和の取れた組み合わせを意識しましょう。 -
汚れの目立ちにくさで選ぶ
白や黒は一見汚れが目立ちにくいように思われますが、実際はダストや水アカが浮いて見えるケースが多いようです。汚れが気になる方は、ゴールド・オレンジ・ガンメタなどが実用的です。
オートバックスでキャリパー塗装を依頼する場合
キャリパー塗装を依頼する際、まず気になるのは「オートバックスで本当にやってもらえるのか」という点かと思います。
店舗により対応状況は異なるため、事前に問い合わせすることをおすすめします。
この章では、サービス可否から工賃や流れ、割引情報、そして実際の評判まで、丁寧にご紹介いたします。
工賃とサービス内容の詳細
一般的には、オートバックスではキャリパー塗装を行っていない店舗が多いようです。
ただし、設備の整ったスーパーオートバックスなど一部店舗では対応してくれる可能性があります。電話で確認されるのが確実です。
施工方法によって工賃も異なります。
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キャリパー装着のまま塗装する場合
簡易なマスキングを行って素早く塗装。費用は約6万円が目安です。 -
キャリパーを外して塗装する場合
下地処理や脱着、フルード交換などが含まれるため、本格的な仕上がりですが、費用は11〜14万円以上になることが多いです。
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施工の流れと作業時間
オートバックスでは、ピット作業が豊富ですが、キャリパー塗装が対応可能かどうかは店舗によって異なります。
塗装作業が可能な場合の一般的な流れは下記のとおりです。
手順例
- 店舗に対応可否と作業内容を確認
- 予約を取る(混雑状況により予約が必要な場合も)
- キャリパー脱着またはマスキング処理
- 下地処理から塗装、クリア塗装など
- キャリパー取り付け、フルード交換・エア抜き(脱着の場合)
- 最終チェックと仕上がり確認
正確な時間は店舗や作業内容によって変わりますので、予約時に「所要時間」の目安も確認されると安心です。
割引・キャンペーン情報の活用法
残念ながら、キャリパー塗装に関する明確な割引やキャンペーン情報は見つかりませんでした。
ただし、オートバックスでは時季によってピットサービスの割引が行われることもあります。
効率よく賢く施工するには、以下をチェックしておくといいでしょう。
- 会員特典やクーポン、キャンペーン時期を活用
- 他の作業(例:ホイール交換など)と組み合わせて相談し、セット割引が可能か確認 などが有効です。
実際の口コミ・評判から分かる満足度
口コミ情報についてはやや限られていましたが、掲示板やQ&Aでは「オートバックスに依頼したが断られた」「見積もりだけで高く感じた」といった声が確認できます。
つまり、明確に対応可能とは限らないため、最寄り店舗に事前確認するのが現実的かつ安心です。
他店・専門業者との料金と仕上がり比較
キャリパー塗装を検討する際、他の業者と比較することは失敗しない選択につながります。以下に代表的な依頼先とその特徴をまとめました。
ディーラーでのキャリパー塗装とその費用
ディーラーでは、キャリパー塗装そのものはドレスアップ目的と見なされず、対応できないのが一般的です。
そのため「することは可能かもしれないが、受けてもらえない可能性が高い」とされています。
イエローハットやタイヤ館など大手店の料金
タイヤ館では、フロント2ヶ所で27,500円、フロント・リアの4ヶ所で44,000円からという料金例があります。
一方、オートバックスやイエローハットでは、キャリパー塗装を断られるケースが多く、対応してもらえる場合でも 2万円以上の工賃が必要になる可能性があります。
カスタム専門ショップの相場と特徴
専門ショップでは、耐熱・耐久性の高い塗料を使い、下地処理や分解整備、安全確認を含めた本格的な施工が期待できる反面、費用は高額(10万円以上)になることが多いです。
とはいえ、仕上がり品質と耐久性を重視する方には最適な選択肢です。
業者選びで失敗しないための比較ポイント
キャリパー塗装業者を決める際にチェックしたいポイントは次の通りです。
- 対応可否
全てのオートバックスで対応しているわけではないため、必ず確認しましょう。 - 施工内容
脱着の有無、下地処理、クリア塗装、フルード交換など、含まれる内容を明確にしましょう。 - 耐熱・耐久材料の使用
長持ちさせたい方は、使用する塗料の特性を問い合わせましょう。 - 料金と納期
作業費の内訳、公表された相場と照らし合わせて納得できるかを確認します。
(例:6万円/10〜14万円/27,500円〜など) - 口コミ・実績
施工例やレビューがあるかどうかも安心材料になります。 - 代替案の用意
対応不可の場合、近隣の専門店やディーラー以外のショップの案内もお願いできるか確認しておくとよいでしょう。
キャリパー塗装の耐久性・安全性と車検対応
キャリパー塗装に関してよく気になるのが、「車検に通るのか」「きちんと長持ちするのか」という点ではないでしょうか。
この章では、安心して選ぶために知っておきたいポイントを、最新情報をもとに分かりやすくご案内いたします。
車検に通る塗装条件とNGの場合
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結論:純正キャリパーを適切に塗装した場合、車検に通ります。色の制限は基本的にありませんので、赤や黒、青など自由に選んで問題ありません。
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注意すべき点:塗料がローターやパッドに付着して制動力が低下すると、車検に落ちる可能性があります。制動力が基準値をクリアできなければNGになります。
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さらに留意すべき事項:塗装が剥がれてキャリパーやローターに塗料片が付着しているような状態も指摘事項となり得ます。
かならず事前に塗装する部分の養生と、乾燥後のチェックを丁寧に行いましょう。
耐熱性・耐候性に優れた塗装方法
使用する塗料選びが最重要です。
キャリパーは高温になるため、耐熱性を備えた塗料を使うことが前提となります。
業界では「2液性塗料」「ヒートペイント」などが定番で、熱への耐久性や光沢を維持する点で高評価です。中には筆塗りでもきれいに仕上がったという実例もあります。
塗装後によくあるトラブルと防止策
よくあるトラブル
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塗装がすぐ剥がれる・変色する
一般的なラッカー系塗料など、耐熱性が低い塗料では、熱とブレーキダストによって塗装が剥がれたり、変色してしまうことがあります。特にホイールから見える面だけが部分的に剥がれると、見た目がかえって悪くなる恐れがあります。 -
重要部位への塗料付着
ローターやピストン、パッドなど、動作に関わる部位に塗料が付着してしまうと制動力が低下し、車検に通らなくなるだけでなく、重大な事故につながるリスクがあります。 -
錆や整備時の傷付き
特にDIYで養生が不十分な場合、雨や道路の塩分にさらされ、錆の発生やちょっとした接触で剥がれ・傷が付きやすくなります。 -
整備作業での剥がれ
ブレーキパッドやローター交換など整備中に塗装に気を使わないと、工具や手の接触で塗膜が剥がれるケースもあります。
防止策
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耐熱塗料を使用する
高温環境でも耐える「ヒートペイント」や「2液性耐熱塗料」など、熱や摩耗に強い専用塗料を使うことが最も重要です。 -
丁寧な養生をする
塗装したくない部分(ローター、ピストン、パッド、ブリーダーなど)をしっかりマスキングすることで、制動性能への悪影響や車検不合格を防ぎます。 -
十分な下地処理と乾燥
脱脂・研磨を丁寧に行い、汚れや油分を残さないようにすることで、塗料の密着性が向上し、剥がれにくくなります。 -
スプレーや筆を均一に使い、薄塗り
厚塗りやムラは剥がれ・垂れの原因になります。
薄く均一に何層にも重ね塗るのがコツです。 -
塗装後の保護と定期メンテナンス
高圧洗浄は避けて、手洗いで優しく汚れを落とし、早期に小さな剥がれを補修することで長持ちします。
DIYでキャリパー塗装をする場合の費用と手順
コストを抑えつつ自分らしさを楽しめるDIYですが、失敗を避けるためにも、必要な道具や注意点をしっかり確認しておきましょう。
必要な道具・塗料の選び方
基礎アイテムとしては以下が挙げられます。
- 耐熱塗料(できれば2液性タイプ)
- 刷毛またはスプレー
- マスキングテープや養生シート(ローターやパッドへの飛散防止)
- 洗浄用ブラシ、パーツクリーナー(油分や汚れの除去用)
これらはキャリパー塗装の基本セットといえる道具です。
特に塗料は高温に耐える性質が必須で、通常のスプレーでは早期剥がれや変色が起こりやすくなります。
また、マスキングや養生資材は制動部品への塗料付着を防ぐために欠かせません。
事前にすべて揃えておくことで、作業中に慌てることなく丁寧な塗装ができます。
初心者が失敗しやすいポイント
- 高温乾燥のやりすぎ(ゴムや樹脂パーツの損傷)
- 厚塗りやムラによる剥がれ・垂れ
- 養生不足で重要部位に塗料が付着
これらの失敗はDIYで特によくあるケースです。
高温乾燥を急ぐあまり、塗装対象外の部品を傷めてしまうことや、厚塗りによって乾燥不良や塗膜剥がれが発生することがあります。
また、養生が不十分だとブレーキ性能に影響を及ぼす危険性があるため、特に注意が必要です。
時間をかけて薄く均一に塗り重ね、養生作業に妥協しないことが成功の秘訣です。
DIYと業者施工のコスト・仕上がり比較
項目 | DIY | 業者依頼 |
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費用 | 数千〜1万円程度(塗料・道具など) | 1個あたり1〜3万円程度が相場 |
仕上がり | 丁寧にやれば悪くありませんが、プロのような精度は難しい場合も | 高品質な下地処理と仕上げが期待でき、耐久性も高い |
所要時間 | 半日〜1日+乾燥時間がかかる | 自分の手間は不要ですが、預ける期間が必要になることも |
表を見ると、DIYは費用を抑えやすく、自分好みの色や仕上げを楽しめる反面、経験や技術が不足するとムラや早期の剥がれにつながる可能性があります。
一方、業者依頼は費用こそ高めですが、専用設備や経験豊富なスタッフによる施工で、耐久性や見た目の美しさに優れた仕上がりが得られやすいのが特徴です。
どちらを選ぶかは、予算や作業にかけられる時間、仕上がりへのこだわりによって変わりますが、特に長期間の美観維持や車検対応を確実にしたい場合は、業者依頼を選ぶメリットが大きいと言えます。
まとめ
キャリパー塗装は、見た目のドレスアップだけでなく、錆や汚れから部品を守る効果もあるため、愛車を長くきれいに保ちたい方にとって魅力的なカスタマイズです。
ただし、耐熱性の低い塗料や不十分な下地処理、養生不足などがあると、早期の剥がれや車検不合格といったトラブルにつながります。
特にローターやパッドなど制動系部品への塗料付着は安全性を損なう重大なリスクになるため、施工時は十分な注意が必要です。
結論として、キャリパー塗装を成功させるには、自分の予算・仕上がりへのこだわり・作業に割ける時間を考慮し、DIYか業者依頼かを判断することが大切です。
そしてどちらを選ぶにしても、耐熱塗料の使用と丁寧な作業が長持ちの鍵になります。